冬支度でタイヤ交換をしてきた話。

10月の初旬に、自分の車のタイヤ交換をしてきた。周りの人と比べても早く変えられた気がする。

雪国のドライバーは10月あたりから近くのガソリンスタンドやディーラーで夏タイヤからスタッドレスタイヤに履き替えして、冬支度をする。

夏が終わるのは本当にあっという間で、かつ秋なんて気づいたらすぐにいなくなってしまう。落ち葉とともに雪が舞うなんてザラである。

手慣れている人は自宅のガレージでジャッキを使いながら自分で交換してしまうものだが、だいたいの人はジャッキなんて用意がないしそもそもタイヤが重くて持つ気にもならないので、前述の通りタイヤ交換サービスを利用している。

ということでガソリンスタンドやディーラーは10〜12月・4〜5月はタイヤ交換の予約でごった返し、タイヤを履き替えたい人は予約が取れないと夏タイヤのまま積雪期を迎えてしまうので、毎朝の天気予報をより詳しくチェックするようになるし、Yahoo!の雨雲レーダーはすかさずブックマークするようになる。

『もうタイヤ変えた?』『そろそろ予約しなきゃね〜』『あそこのスタンドもう予約締め切ったらしいよ』『わたしはもう変えた。まだ変えてないの?明日降るよ』『でも部長は根雪にならないって言ってたから私はあと2週粘る』などと職場で高度な心理戦も始まる。なお降ってしまったらそこまでなので、その場合は鬼電の上なんとか予約を取り付けて低速走行でガソリンスタンドに行くしかない。なまけた自分が悪いので、ウサギとカメのよい例である。

 

雪国の人々は夏冬タイヤの2セットを履くので、片方1セットはどこかに保管しなくてはいけない。ガレージやトランクルームのない世帯は保管場所を用意する必要があり、自由に置いておける場所を確保できない限り、保管場所の間借り、いわゆる保管料が発生する。

ガソリンスタンドやディーラーはタイヤの交換のみならず保管サービスにも対応していて、一度預けてしまえば半年ごとに保管料を支払うことで利用者は重いタイヤをかつぐことなく手ぶらで冬支度ができる。お金で物事を解決する典型的な事例である。

ただし、費用面でいうと半年で相場8,000〜10,000円という保管料は安いとは言い難く、自家用車の維持費を抑えたいならばなんとかしたいところである。

最近はそもそも燃料代も高いし、こんなにお金がかかるならいっそレンタカーでもよかったのかな?と時間貸しPの角で揺れるタイムズカーシェアの旗が眩しく見える時もあるけれども、好きな車に乗れているんだからええやないのと自分をなぐさめている。

そんな折、知人の紹介で割安なタイヤ保管サービスがあると聞いて、タイヤ交換をお願いしたディーラーでタイヤを積んでもらった後、その足で、とある工場に行ってきた。

タクシー会社の整備用自社工場である。パッと見、まずもって一般消費者向けに商売しているようには見えない。エンジンオイルのニオイもするし、整備を待つタクシーが車列を作っているし、運転手のおじさんたちは競馬新聞を読んで想いを馳せている。

応接カウンターも見当たらなかったので、いたたまれず代表電話に電話したらば奥から妙齢の女性が現れて、ここではタイヤ保管サービスの取扱はありますか?と聞いたところ、よく見つけましたねという雰囲気で夏タイヤ4本を半年預かってくれた。

価格は、なんと半年で3,300円だった。相場の半額以下である。安すぎん?

ホームページはあるもののタイヤ保管をやっていると書いているわけでもなく、従業員の家族の車両のタイヤを預かり始めたのが数年前とのこと。告知はしていないものの一般の方も大歓迎らしく、久しぶりに気持ちいい接客を受けた気がしたし、知る人ぞ知る隠れ家レストランを見つけたような気分であった。

 

次に夏タイヤを取りに行くのは半年後、GWまでには引取する必要がある。ただ、どうせ雪国のこと、GWでも遠出するとまだ積雪はあるもので、夏タイヤへの履き替えのタイミングも十分に吟味する。職場での心理戦も再燃するわけだけど、こちらは山道を走らなきゃいいだけだから、だいぶ心の余裕はもてそうだ。インドア趣味に励めということかな。